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動物のお医者さん DVD-BOX
OFF:¥ 6,583(30%)
出演:吉沢悠,和久井映見,江守徹,岸田今日子
おすすめ度
音楽、演出、すべてにおいて子供向けの傾向が強くなり、原作を知っている者が見ると無意識的にどうしても比較してしまう。そしてしらける、見る気力が失せる、つまらないというのが本音です。例えばハムテルと二階堂が落ちるかもしれない瀬戸際の試験を何とか突破した時いつも成績優秀なハムテルが追試経験のある二階堂に対し「そうか、このスリルがやめられないんだろ?」という台詞に対し二階堂は「いっぺん落ちろ!」と言うシーン。ドラマではあれが限界なのでしょうが非常にがっかりでした。あれは単に怒鳴ってるも同然でむしろシリアスさえ感じられてしまう。それは原作の主旨に外れています。演出でどうにかならなかったのだろうかと疑問に思います。
どう逆立ちしてもドラマが原作に紙一重させる事は絶対に出来ません。だからストーリーはそのままにしてしゃべり方、効果音、カメラアングル等に工夫を加えてドラマでしか表現できないもう一つの動物のお医者さんを私は期待していました。ただしこれは原作の世界観を潰さないことが大前提です。チョビ、ミケが発言するシーンに声優を使うのは面白かったのにどうにも中途半端で終わっている。効果音、カメラ演出もいまひとつ。ねずみが嫌いな二階堂にみんなで必死に説得するシーンは「ああ、やっぱりドラマだなあ」と寂しく思ってしまいました。
ただし良いところもいくつかあります。大学内部の撮影で獣医学部がどのような場所なのかを知らない人たちに気軽に見せた事、漆原教授の役にぴったりだった江守徹、そして何よりも規制のききにくい動物たちをよくあそこまで演じさせたと感心しました。これは見所です。特にチョビとミケの追いかけっこは実に良く出来てました。
原作ファンの人に言いますが、自分の世界観を広げようとする人以外は見ない事をお勧めします。自分だけの中で原作を楽しむというのもありだと私は思いますから。
ところが残念ながら期待ハズレ。
佐々木倫子の原作の面白さは、独特の「マ(間)」につきる。ある種のコントだといってもいい。しかしTVドラマではこの「マ」がうまく再現されておらず、ギャグが流れていってしまって、笑うタイミングがない。そう、笑うタイミングとはすなわち「マ」である。人間同士の掛け合いにおける「マ」はともかく、動物と人間の掛け合いの「マ」、動物同士の掛け合いの「マ」は、もはや漫画でなければ表現不能なのであろう。
まったく別のドラマとしてみるなら、キャスティングもいいし、それなりではあると思う。が、原作のそのままのイメージを期待するとがっかりする。そういえば『デスノート』も『のだめカンタービレ』も漫画原作だがドラマはよくできていた。本作ももういちど、別の取り方でチャレンジしてほしいものである。